吹奏楽あるあるとして学生に多いのは
「先輩は神である」
ということ。

以前、近所の中学校へ外部指導に行った際
フルートの運指を間違えている2年生を
指導したところ
「先輩がこう言ったんで!」
と言って、修正しようとはしなかった。

音色の違いを吹いて聞かせるも
(私からすると明らかにくぐもった音色と、抜けた音色なのだが)その子には届かず

首を捻ってなにも変わらない、分からない
から、なおさない

というのであった。

私の子供が吹奏楽でオーボエを初めて2が月経過しようとしているが、まだ全然運指覚えられない。

オーボエの正規の運指はYAMAHA公開ページから察するに38種類くらいありそうである。
単純に1日2個づつ覚えたとして、毎日コツコツ
地道な基礎練習をやっていけば
最短19日で全ての運指を、覚えられることになる。
多くみても1か月で音色はさておき、指はたどたどしくても動かせるようになるはずだ。

しかし、どうだろうか。
2か月経過しそうな現時点でまだ18種類覚えたかどうか、というところである。

子供いわく、先輩がこれが一番難しいから、
これをまずは鳴らせるようにして、とにかくこれが優先、
といったものだけを必死にやって、他の指は知らない(やっていない)のだという。

なんという、時間の無駄遣い
なんという、非効率さ

普通に考えて、1日でC durだけを練習してたどたどしくても吹けるようにしたならば
既に8つの運指を覚えたことになる。

吹奏楽でよく使うB durから覚えてもいい。

確かに基礎練習はつまらないし、早く先輩のように
曲をカッコよく吹きたいだろう。

でも、基礎練なくしてカッコよさは絶対に生まれない。

出来ているように聞こえて、指が滑ったり
上手く連携されていなかったりして
なめらかではなく、客観的に聞いた時に
イビツなリズムになっていることはよくある。

本人は指まわしに必死のため、気が付かない、気付けないのである。

吹奏楽をやり始めた一年生のみんなへ

基礎は大切です。

そして、先輩はカッコよかったとしても神ではありません。

もっと効率的にもっと頭を使って練習すれば
早く確実に上達するでしょう。
何事も急がば回れ、
果報は寝て待て(今は基礎ばかりで曲を吹かなくてつまらないけど、その基礎練は必ずあなたの力になる)
なのです。